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yumi takahashi

高橋ユミ *箱の詩学と美術綺譚*

ベリー公のいとも豪華な時祷書/4月

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「王子の婚姻」
司祭と豪奢な衣装を身にまとった花婿・花嫁。侍女たちが花を摘んでいます。
中世ヨーロッパでは、3・4・5月の農繁期は結婚が禁じられていたとのことですが、この場合、王侯貴族の婚姻ですから問題はないのでしょう。(1説には4月に婚約しても実際の結婚は6月だったそうです)

花嫁のモデルはベリー公の娘マリー・ド・ベリー(1367-1434)。マリーは生涯に3回結婚していますが、最初の結婚は1391年、2回目は1393年、3回目は1400年。先の2回は結婚して数年たらずで夫と死別しています。
「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」の制作が始まったのは15世紀初めですから、この婚姻は3回目のものでしょうか。ベリー公は今度こそ早くに夫と死別することがないようにと願い、この婚姻の場面を描かせたのかもしれませんね。3人目の夫ブルボン公ジャン1世とマリーはともに1434年に亡くなっています。

背景に描かれているのはドゥルダン城。1385年にベリー公が手に入れた城です。100年戦争中は、1428年にイギリス領となります。幽閉されたエティエンヌ・ド・ヴィニョールを、1431年にジャンヌ・ダルクが救出した城でもあります。

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